翡 翠
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なぜ HISUI なのか — 日本最古のパワーストーン

Le Jade Sacré du Japon

五千年前、漢字が来る前、お茶が来る前、絹が来る前。
日本最古の職人たちが、すでに削っていた石がある。
翡翠(ひすい)は、ただの石ではない。
神を宿す石であり、翡翠タロット占いの源泉ともなる
日本最古・最強のパワーストーンである。

─── Chapter I ───
The Word "Hisui"

「翡翠」という言葉

Le Mot Sacré

日本語の「翡翠(ひすい)」は、現代では「ジェイド/玉」を指す。だが、もともと「翡」も「翠」も、別のものを指す字だった。 はカワセミの雄、 はカワセミの雌。光の角度で緑にも青にも変わる、あの宝石のような小鳥の名前である。

古代人が石にこの名を当てたのは、「動く緑」が両者の共通点だったから。翡翠は、止まった色ではない。光と一緒に呼吸する。

そしてこの語が中国から渡ってくる、はるか前から、日本人はこの石を加工していた。当時の日本語で何と呼ばれていたかは、もう分からない。だが、「神を宿す石」 として扱われていたことだけは、出土品が証言している。

─── Chapter II ───
Five Thousand Years of Sacred Use

五千年の聖なる使用

La Longue Histoire

日本と翡翠の関係は、文字よりも、仏教よりも、稲作よりも古い。

縄文時代 ~5,000 — 300 BCE

糸魚川(現在の新潟県)の河原で、狩猟採集民の職人たちが翡翠の原石を玉に削り始めた。世界最古級の翡翠加工である。装身具ではない。副葬品、祭祀具、共同体間の贈与品 として用いられた。北海道から九州南部まで、翡翠は交易ルートを伝って広がっていた。日本という国名がまだ無かった時代の話である。

弥生・古墳時代 ~300 BCE — 538 CE

翡翠製の 勾玉(まがたま) が登場する。あの独特な曲がった形は、魂、胎児、獣の牙、三日月など、さまざまに解釈されてきた。確かなのは、王や首長が、勾玉を身に着けて葬られていた こと。古墳から大量に出土し、青銅鏡と鉄剣と一緒に置かれていることが多い。鏡・剣・玉 の三点セットは、すでに古墳時代に成立していた。

飛鳥・奈良時代 538 — 794 CE

日本の建国神話が『古事記』(712)『日本書紀』(720)に文字化された頃、翡翠の勾玉に名前が付いた。八尺瓊勾玉(やさかにのまがたま) である。これは 三種の神器 の一つとなり、天照大御神から代々の天皇へと受け継がれる神宝になった。今日に至るまで、これを持たずに即位した天皇はいない。

現代 2016 年

2016年9月24日、日本鉱物科学会が 翡翠を「日本の国石」 として正式に認定した。糸魚川翡翠 ─ 縄文人が削っていたあの河原の石 ─ が、日本を象徴する鉱物として公的に位置づけられた。五千年の系譜は、ここで一度、現代と結ばれた。

─── Chapter III ───
The Three Sacred Treasures

三種の神器

Les Trois Trésors Sacrés

日本の皇統神話は、三つの聖なる宝物を中心に展開する。天照大御神の孫が地上に降りるとき、これらを携えて来たと『古事記』は語る。三種の神器(さんしゅのじんぎ) である。

八咫鏡

やたのかがみ
青銅製。
智慧と真実の象徴。伊勢神宮に祀られている、と伝わる。

草薙剣

くさなぎのつるぎ
鉄製。
武勇と守護の象徴。熱田神宮に祀られている、と伝わる。

勾玉
八尺瓊勾玉

翡翠製。
慈愛と聖なる女性性の象徴。皇居(東京)に納められている、と伝わる。

三つのうち、翡翠の勾玉だけが、天皇のすぐ側に置かれている。鏡は伊勢、剣は熱田に。だが勾玉は皇居から離れない。三神器のうち、玉だけが、王の身体と共に動く。

建国神話の中で、天照大御神が天岩戸に隠れて世界が闇に包まれた時、神々が大御神を呼び戻すための供物を整えた。五百個の翡翠の勾玉を一本の紐に通したもの が、榊の木に掛けられた。太陽を呼び戻すのを助けたのは、翡翠だった。

鏡は真実を映す。
剣は幻想を断ち切る。
翡翠は ─ ただ、ある。
魂が石になったもの。それが翡翠。

── 神道に伝わる言葉
─── Chapter IV ───
Itoigawa — Where the Stone Comes From

糸魚川 ─ この石が来た場所

L'Origine

古代日本で使われた翡翠のほぼ全ては、ひとつの水系から来ていた。姫川と小滝川。現在の新潟県糸魚川市付近を流れる川である。今でも、台風のあとには山から転がり落ちてきた翡翠原石が日本海の浜辺に打ち上げられる。地元の人は今もそれを拾いに行く。

この地域は、翡翠が理由のひとつで ユネスコ世界ジオパーク に登録されている。露頭する岩石の中には日本最古級のもの ─ 5億年以上前 ─ が含まれ、翡翠そのものは鋼鉄よりも硬い、人類が知る最も丈夫な物質の一つである。

古代人が神々への捧げものを選んだとき、金もあった。真珠もあった。だが彼らは、日本海の荒波の上に上がってくる、この河原の石を選んだ。最も手に入りにくい石を、最も古くから知っている石を、選んだ。

─── Chapter V ───
Why the Name "HISUI"

なぜ「HISUI」と名乗るのか

Notre Nom

Stone Artistry HISUI は、宮城県南部の田舎にひっそりと佇む、ひとりの魔女のアトリエである。ダーク・ロマンチックなパワーストーンブレスレットと、Noctéline Oracle というタロットを編んでいる。表向きは、ロリータ・ゴシック・魔女美学・ダークアカデミア層向けの、小さなジュエリーブランドだ。

だが、ブランド名は、ブランドそのものよりも古い。HISUI ─ 翡翠 ─ は、五千年にわたって、この列島の人々が 「石は生きている」「石には意味が宿る」 と扱い続けてきた、その伝統の継承である。神々が最初に手に取ったもの、それが翡翠だった。

満月の夜にブレスレットを編むとき、魔女翡翠は「魔法をかけている」のではない。記録される以前から、この列島の翡翠職人たちが続けてきたこと をしているだけだ。石が、こちらをじっと見つめ返しているかのように扱う。それだけのことである。

近く発表予定の Miko Oracle(巫女託宣) ── 神道の22柱の神々を主題にしたオラクルデッキは、この継承の最も直接的な表現になる。天照大御神、月読命、須佐之男命、そして八百万の神々。神話で最初に翡翠を手に取った彼らの声を、HISUI のアトリエが22枚のカードに編み直す。

五千年前、糸魚川の誰かが、最初の翡翠勾玉に最初の穴を開けた。
今夜、HISUI のアトリエは、その次の一つを編む。

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